自筆証書遺言がよりお手軽に?

コラム

こんにちは。行政書士の中川です。

昨年の12月に書いたコラム「遺言書が無効?」はご覧になっていただいたでしょうか。このコラムでは、遺言書作成方式のひとつである「自筆証書遺言」についていろいろと書いたのですが、特に作成様式が厳格に定められていることを大きく取り上げました。この自筆証書遺言の厳しい作成方法が今後大きく緩和されるかもしれません。

法制審議会

法制審議会という法務大臣の諮問(しもん)機関があります。法務大臣と言っても、弁護士や学者など、高度な知識を持った専門家ばかりがなるとは限りません。それに、いくらトップだと言っても、いつもいつも自分だけの考えで重要な物事を決定するのも考えものです。なので大臣など行政に関わるエライ人は、日常的に職務に関する高度で専門的な部分に関して学識経験者などに意見を求め、自分だけでは手に負えない物事を決定する参考にしています。この意見を求めることを「諮問」と言っていますが、社会の時代的な変化や日々の科学の進歩などを踏まえた法律のあり方の実現、つまり「法改正」の具体的な案を大臣の諮問に応じて意見する(答申する)諮問機関として法制審議会という機関が存在します。

ニュースなどでも大きく報道されていたのでご存じの方も多いと思いますが、1/16に、この法制審議会が遺言や相続に関する法律を大幅に変えてはどうか?という意見を法務大臣に提出しました。その中に自筆証書遺言の方式緩和に関する内容が盛り込まれていたわけです。

具体的な改正案は?

自書が不要に

昨年のコラム「遺言書が無効?」でも書きましたが、自筆証書遺言の場合、遺言書自体を「自書」しないと遺言書は法的に無効になります。それが、今回の改正案ではパソコンなどで打ち出したものでも構わないとされ、これに各ページ署名押印すれば良いとされています。自筆証書遺言は、書き間違いの訂正方法も非常に面倒なものが定められていて、正直やってられない感があったのですが、まさに社会の時代的な変化を踏まえた歓迎すべき改正案ではないでしょうか。

遺言書保管制度の創設

自分だけで作成できるのがメリットの自筆証書遺言ですが、自宅に置いておくことで改ざんされる恐れもありました。法制審議会の答申によると、自筆証書遺言を法務局が画像化と保管を行ってくれ、相続発生後に相続人が閲覧可能にします。また、法務局が保管している遺言書は、遺言書の開封前に必要な家庭裁判所のチェック「検認」を省略可能とします。法務局に預けた時点で偽造・変造のしようがありませんもんね。

これらの答申を受けた法案が今度の通常国会に提出される見込みとのことです。仮に可決しても施行は数年後になるのではと思いますが、今回はこんな感じで皆さんに身近な法律も日々進化していっているというお話でした。

では、また次回!

 

 

Posted by Kentaro Nakagawa